ポジティブ思考は捨てるべき!?願ったり書いたりしただけで夢が達成できる訳がない
皆さんは「ポジティブ」というとどのようなイメージがありますか?私は、元々良いイメージで、何でもポジティブに捉えられれば人生うまく行くのかなあ・・などと思っていました。(たまに非常にネガティブになるので)
しかし、この本を読んで確かにポジティブなだけではダメ、というか、根拠のないポジティブに意味はない、それどころか毒になるんだなあ・・と思い知らされました。
成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
- 作者: ガブリエル・エッティンゲン,大田直子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/06/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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根拠なきポジティブはむしろ悪影響であるという実験結果がでた。本の要約
減量プログラムに参加している肥満女性を対象にデータをとったところ、ついドーナツを食べてしまうなどのネガティブな自分を想像した女性は、よいイメージばかり思い描いていた女性よりも、平均11キロ多く減量に成功するという結果が出ました。著者は「ポジティブ思考が達成の邪魔をしているのではないか」という仮説のもと同様の実験を複数行い、同様の結果(ポジティブなイメージだけをしていた人は結果が悪かったりモチベーションが下がったりする)を得ました。※なお、ここの実験一つ一つの説明が非常に長い^^;
これらの結果から、
・現実や過去の経験と紐付かないポジティブな空想をした人ほど、脳が満足してしまい、実行にうつすエネルギーまで吸い取られているので行動にうつさなくなる
・物事を自分の空想に都合のいい面ばかりみるようになり認知が歪む。結果、達成のため必要なものや情報を正しく判断できなくなる
ということが分かりました。
言われてみればそのとおりですよね。
お金持ちになりたい!と思って、宝くじがあたったり億万長者から求婚されたりことを家の中で考えながら寝ていても、何も起きません。さらに言えば、宝くじを当てるために宝くじを買いにいくのは家で空想しているよりはいいかもしれないですが、実際に当たって億万長者になれる確率を真剣に考えれば、そもそも宝くじを買うだけというのは億万長者になる方法として正しいのか(そもそもその願いはそれほど強い本心なのか?)という話になります。
結局叶えたいなら現実をみながら段階踏むしかない
結局、本当に思っていることを叶えたいのであれば、現実をみてその上で行動するしかない、という当たり前の、でもついつい忘れがちなことを本書は教えてくれたように思います。
よく「手帳に書けば願いが叶う!」といった内容が流行りますが、冷静に考えたら書いただけで叶うのはどう考えても無いんですよね。書いたことでそれに向かって何をすればいいのか無意識で考えるようになる(きっかけになる、また、願いを忘れない)というのが正しい。
それにも関わらずこういった題名のものが売れる、というのは、やはり人は願っただけで叶えばいいなという願望をもっているという裏返しでもあります。そういえば私もめちゃくちゃ物事がうまくいかなくてきつい時にこの手の本を数冊買った覚えがあります・・完全な逃避です。
※ちなみにここに書ききれないのですが、著者は夢見ることをすべて否定しているわけではなく、達成のために成功した姿を想像することは必要、ただし、その際に必ず同時に阻害要因を考えるのが大事、と言っています。
実現のためのステップ、WOOPの方法とは
ポジティブシンキングの沼にはまらないための方法として、WOOPという方法が提示されています(これ自体は別に新しくなく、結構昔からある方法ではあります)
・願望(Wish)
自分の本当の願いを考える。
・結果(Outcome)
その願望を果たすと得られる結果を考える
・障害(Obstacle)
その願望を叶えるのに障害となるもの(行動したくないと思うなら何が行動を阻害しているのかまで)を具体的に考える)
・計画(Plan)
達成のための具体的な計画を立てる
…何か当たり前じゃない?こんなのやらないと叶わないんかい!という突っ込みが聞こえてきそうですが、結局ここまでやらないとかなわないってことですよね。それが実感として分かっただけでも個人的にはもうけものだなあと思いました。
今年の目標、なんだかんだ半分くらい叶ってきたのですが、あと半分、願ってるだけで終わらないようにしっかり達成していきたいです。